"夜明けでつくられた家
たそがれでつくられた家
黒い雲でつくられた家
男の雨でつくられた家
暗い霧でつくられた家
女の雨でつくられた家
花粉でつくられた家
きりぎりすでつくられた家
そこでは暗い霧のカーテンが入口をかくし
そこへつづく道は虹の道
ジグザグの稲妻が上空に立ちはだかり
男の雨も上空に立ちはだかる
ああ 男神よ! あなたの
その黒雲のモカシンをはいた足で
わたしたちのところへ来て下さい
その黒雲のすね当てをつけた足で
わたしたちのところへ来て下さい
その黒雲の頭飾りをつけて
わたしたちのところへ来て下さい
その黒雲に包まれた心をもって
わたしたちのところへ来て下さい
頭に雷をのせて わたしたちのところへ来て下さい
黒雲から生れた遠い暗闇とともに
わたしたちのところへ来て下さい
男の雨から生れた遠い暗闇とともに
わたしたちのところへ来て下さい
暗い霧から生れた遠い暗闇とともに
わたしたちのところへ来て下さい
女の雨から生れた遠い暗闇とともに
わたしたちのところへ来て下さい
空の高みに飛び交うジグザグの稲妻とともに
わたしたちのところへ来て下さい
あなたの頭上に高くかかる虹とともに
わたしたちのところへ来て下さい
あなたの翼の先端に湧く黒雲から生れた遠い暗闇とともに
わたしたちのところへ来て下さい
あなたの翼の先端に集る男の雨から生れた遠い暗闇とともに
わたしたちのところへ来て下さい
あなたの翼の先端にかかる黒い霧から生れた遠い暗闇とともに
わたしたちのところへ来て下さい"
-
夜明けでつくられた家 ネイティブ・アメリカンの詩
金関寿夫『アメリカ・インディアンの詩』(1977・中公新書)より
「すね当て」に「レギンズ」、初出の「翼」に「つばさ」、「湧く」の「湧」に「わ」のルビあり。「………」「(以下省略)」は引用書ママ
(via ginzuna)
(via futureisfailed)